イタリアのパスタ旅20州「小さな村編」vol.20「マルケ州」

ファーノ地域のツナトマトパスタ「クレスタイアーテ・アッラ・ファネーゼ」

Crestaiate alla fanese con sugo al tonno e pomodoro

ローマ時代に栄えたファーノ地域は、アドリア海沿岸の丘にあり、今はマルケ州有数のリゾート地です。

この地域で、貧しい農民たちが作ってきた手打ちパスタ「クレスタイアーテ」を作ります。

とうもろこしで作るイタリアの主食の一つである「ポレンタ」が余ったとき、小麦粉や卵を加えてパスタ生地を作り、茹でて食べるクレスタイアーテ。

とうもろこしの香ばしさともちもち感が強く、印象的なおいしいマルケ州のパスタを作りましょう。

ソースも漁業も盛んなファーノ地域ならではの、ツナやアンチョビを使ったトマトベースのソースを作ります。

このソースの面白いポイントは、トマト缶ではなく、トマトペーストで作ること。そのおかげで煮詰める時間が不要！家庭でもさっと作れるパスタソースとして人気があるソースを実習して頂きます。

州都アンコーナの船乗りのパスタ「ノーディ・マリーニ」とアンコーナ風マリナーラソース

Nodi anconetani alla marinara

マルケ州の州都アンコーナには、もう一つの伝統パスタがあります。手打ちスパゲッティ「ストロンカテッリ」は、ユダヤ人由来のアンコーナご当地パスタです。

このストロンカテッリを製造する工程で、短くなってしまった生地を利用し、結び目を施し船乗りの形に仕上げた「ノーディ・マリーニ」を作ります。

ソースにからみやすく、漁師の街らしく、魚介のソースとの相性抜群のパスタをご紹介します。

アンコーナには、漁師が船の上で売り物にならない魚介で作ったスープ「ブロデット」という郷土料理があり、魚の出汁をパンやパスタにからめて食べるのも日常的な地域。

そこでソースは、魚介でとった出汁を使って作るアンコーナ風マリナーラソースを作り、ご試食いただきます。

オッフィーダ村の夏野菜とツナのフォカッチャ「キキ・リピエノ」

Chichì ripieno di Offida

イタリアの美しい村のひとつ、オッフィーダ村のフォカッチャ「キキ・リピエノ」を作ります。

夏野菜のオイル漬「ジャルディニエーラ」を手作りし、ツナやケッパーを合わせ、フォカッチャ生地で包み焼きにした「キキ・リピエノ」。

塩味のタルトやパイと違い、フォカッチャならではの表面がざっくり、中はもちもちの食感と、おいしい詰め物のコントラストがたまらない郷土料理です。

温かい状態で食べたり、冷蔵庫で冷やしても美味しく、栄養バランスの良いフォカッチャをご紹介します！

ちなみにオッフィーダ村は、ボビンレースが盛んだった地域なので、「キキ・リピエノ」だけでなく、レース好きの方はぜひ、訪れることをお勧めします。

ポルト・サン・ジョルジョのアーモンドケーキ「アマンドヴォロ」

Amandovolo di Porto San Giorgio

海辺のリゾート地ポルト・サン・ジョルジョ中のお菓子屋さんが作っているとされるアーモンドケーキ「アマンドヴォロ」。

元々は、ピエモンテ州出身のパティシエがこの地でお菓子屋を開いた時に考案したケーキで、ポルト・サン・ジョルジョでバカンスを過ごす貴族や上流階級の人たちを魅了してきた伝説のお菓子とされています。

長方形の形をしたアーモンドのほのかな苦味とチョコレートの甘さのコントラストが絶妙なケーキ「アマンドヴォロ」をご紹介します。

今ではイタリア全土に出荷されるほど有名になったケーキをお味見いただきます。

どうぞお楽しみに！