イタリアのパスタ旅20州「小さな村編」vol.18「フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州」

カルニア地域の蕎麦粉の手巻きパスタ「ブレクス」とバターコーンソース

Blècs carnici in salsa di burro e mais

フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州は、蕎麦粉やとうもろこし粉を使った料理がたくさんある地域です。

オーストリアとヴェネト州に接するカルニアは、アルプス山脈地域ではあるものの、強風で冬は厳しい寒さという気候から、肥沃な大地とは言い難い土地でした。

そのため、不毛の地でも育つ蕎麦粉が栽培され、「ブレクス」という郷土パスタが生まれたそうです。

蕎麦粉の他、地域によっては、とうもろこしの粉や小麦粉を混ぜた生地を手で巻いてカットして作ることから、手巻きパスタとも言われます。

ソースもこの地域らしく、とうもろこしの粉をバターでカリカリに炒めたバターコーンソースを合わせます。

ゴリッツィア県のほうれん草とチーズのロールパスタ「ストゥルコロ」

Strucolo di spinaci di Gorizia

スロベニアとの国境にあるゴリッツィア県の生パスタ「ストゥルコロ」を作ります。

捏ねて伸ばしたパスタ生地に、ほうれん草やチーズを詰めてくるくる巻いてロール状にしたパスタは、ラザニアに似ているようで違う、新しい味のパスタ。

塩味のストゥルーデルとも言われる「ストゥルコロ」は、ラザニアと違い、オーブンで焼かないで茹でて、ソースをかけて食べるパスタ料理です。

茹でたパスタを冷蔵庫に入れて冷やして食べるのもおすすめで、季節を問わずに楽しめます。

フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州のご当地パスタを一緒に作ってみましょう。

ウーディネ県のグリッシーニ「グリスポレンタ」のホースラディッシュソース添え

Grispolenta di Udine con salsa al cren

イタリア中南部ではあまり知られていない「ホースラディッシュ」は、北東部にあるフリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州ではこの地域のシンボルとされる食材です。

春に白い花を咲かせる西洋わさびと言われるホースラディッシュで作るソースは、生ハムなど肉料理に合わせると美味しいため、今回はフリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州中部の地域ウーディネ県のグリッシーニを作ります。

とうもろこしの粉で作る太いグリッシーニ「グリスポレンタ」は、ポレンタ料理を愛するすべての人に捧げられたという古典的なパンの一種です。

コーンの香ばしい風味も楽しめるリッチなグリッシーニをご紹介します！

ムッジャ伝統菓子「ニョッキ・アッレ・プルーニェ」

Gnocchi alle prugne di Muggia

トリエステ県にある海沿いの街 ムッジャの伝統菓子「ニョッキ・アッレ・プルーニェ」を作ります。

じゃがいものニョッキ生地でプルーンを包んだパスタ料理なのにデザートで食べるというこの料理。

元々はボヘミア発祥の料理で、チェコ由来のようですが、貧しい農民たちは、この伝統菓子をメイン料理として食べていた厳しい時代もあったのだそう。

トリエステに旅をした時、地元の人に勧められたものの、、、おいしいのかどうか半信半疑で食べてみると、懐かしい味がして日本に帰りたくなった思い出があります。

じゃがいもで作るお団子のような、和菓子要素がある優しい味のイタリア菓子をご紹介します。

土地柄や歴史を感じるフリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州の郷土菓子を楽しみにいらしてください！