🧄 馬車ひき風という意味のカレッティエラソースをご存知ですか?
カレッティエラは、シチリアに起源があるとされ、馬車ひきの主人が客待ちをしている間に短時間でさっと作ったことからこの名前がついたと言われる、EASYなスパゲッティのためのソース。
どんなソースなのかと言うと、にんにく、赤唐辛子、オリーブオイルが主役というのは間違いがありません。
でもその先は、一概には言えず、これは論争です!
発祥はシチリアですが、イタリア各地に伝わり、各地の食材が追加されたので、地域によって名前は同じなのに全然違うカレッティエラソースが取り揃う事態に。
それがまた、共和国イタリアの面白さでもありますね。
ちなみに元祖シチリア風は、生のにんにく、羊のチーズが入ったり、パン粉入りもあります。
ナポリ風にはアンチョビが、カラブリア風には豚肉が、ローマ風はツナやきのこが入ります。
その中からフィレンツェ出身の家人がいる我が家の、フィレンツェ風「スパゲッティ・アッラ・カレッティエラ」レシピをご紹介します。
香り高い食材で作るのでフレッシュさが強めのカレッティエラと言われているフィレンツェのカレッティエラソース。にんにくの香りとペペロンチーノのスパイシーさ、パセリの風味を際立たせたトマトソースを作りましょう!
ヘルシーな料理作りにおすすめのトスカーナ産オリーブオイル
レシピ材料(2人分) | |
---|---|
スパゲッティ | 160g |
トマト | 150g |
ホールトマト缶 | 75g(生トマトでもOK) |
にんにく | 2かけ |
赤唐辛子 | 1〜2本 |
イタリアンパセリ | 10枝 |
塩 | 適量(小さじ1/4目安) |
オリーブオイル | 20g |
水 | 3ℓ |
パスタを茹でる粗塩 | 大さじ2 |
調理時間:約15分
ステップ ①
トマトはへたをくり抜く。鍋に湯をわかし、湯に30秒ほどつけ、皮がめくれてきたら取り出す。冷水につけて皮をむき、2cm角に切る。
ポイント:ミニトマトで作る場合は、切らなくてもOK。高リコピントマトで作ると皮も肉厚でイタリアっぽい仕上がりになるのでおすすめ!
ステップ ②
にんにく、赤唐辛子、イタリアンパセリの葉は、それぞれみじん切りにする。
ポイント:イタリアンパセリの軸も、みじん切りにしてオリーブオイルで炒めてもOK(軸は焦げにくいので炒める時に最初から入れてもOK)。
ポイント:今回は、クラッシュ状のイタリア産ペペロンチーノを使用したので赤唐辛子は刻んでいません。
ステップ ③
鍋にオリーブオイルとにんにく、赤唐辛子を入れ、弱火で炒める。
ポイント:油の温度が下がるので混ぜすぎないように、ゆっくりじっくり水分を飛ばす。
ステップ ④
イタリアンパセリの葉の半量を加え、さっと炒める。
ポイント:油の温度を下げてからトマトを加えることでにんにくの香りが逃げなくなる。
ステップ ⑤
トマトとホールトマトを加え、ソースの色が少し濃くなるまで煮詰める。
ポイント:蓋をしないで煮詰めて、水分を飛ばす!煮詰める時間は、パスタの茹で時間と同じくらい(8分くらい)でOK。
ステップ ⑥
3リットルの水を沸騰させ、粗塩大さじ2を入れ、再沸騰したらスパゲッティを茹でる。
ポイント:細かい塩で茹でる場合は、もっと塩味が強くなるので、塩の量を少し減らし、大さじ1〜大さじ1.5にする。
ポイント:茹で上がったら、鍋からパスタをトングなどで引くようにソースに加えると茹で汁も自然とソースに加えられる。
ステップ ⑦
塩とイタリアンパセリの葉、茹でたパスタを加え、からめる。
ポイント:トマトの甘みを引き出すため、仕上げに塩を加える。逆にトマトが甘すぎる場合は、トマトを煮詰めるタイミングで塩を入れると良い。
ステップ ⑧
火の上でパスタとソースがとろりとした状態になるよう、茹で汁少々を加え、濃厚な仕上がりになるまで混ぜたら完成!
ポイント:仕上げにトスカーナ産オリーブオイルをかけるとさらにおいしくなるのでおすすめ。
カレッティエラとアラビアータの違いは?
カレッティエラとアラビアータの違いは何ですか?と聞かれることがあります。
名前が違う、発祥が違う、具を入れる地域もあるし材料が違う、辛さでいうとアラビアータのほうが辛くない!と主張する説もあれば、逆もあり、一概にはこれまた言えないので答えに困ってしまいます。
ただ私が感じたのは、アラビアータよりもにんにくの主張が強いことだと思います。
元祖シチリアバージョンは、生のにんにくをたっぷりいれるレシピで、他の地域も含め、にんにくが主人公の辛いソースがカレッティエラなのではと。
それとイタリアンパセリをたっぷり使うのもカレッティエラならではで、アラビアータとの違いかなと。
ちなみにうちの夫は、そんなことを気にすることもなく、カレッティエラを作ると「やった〜今日はカレッティエラだ!」と言い、アラビアータを作ると「アラビアータだ!」と間違えず発言します。
「なんで分かるの!さすがイタリア人だね。」と褒めたところ、パスタですぐに分かるとの回答が。現地では、カレッティエラにはスパゲッティを、アラビアータにはペンネに合わせるイタリアルールが存在するので、見ただけで簡単に区別ができるそうです。
豆知識 ①:赤唐辛子と胡椒は同居しない
余談ですが、カレッティエラにもアラビアータにも胡椒が入らないのも面白いイタリアルールを感じます。
イタリア語で赤唐辛子=peperoncino、胡椒=pepeというだけあって、同じ鍋に同居はしなくてOK!とのこと。ペペロンチーノを効かせたときは、胡椒を入れないことで辛みが際立ちます。
もしもカレッティエラを赤唐辛子抜きで作るなら、胡椒を代わりに追加するのもおすすめです。
この「赤唐辛子と胡椒は同居しない」ルールは、頭の隅っこに入れておくと、イタリア料理の味の足し算に役立つと思います。
豆知識 ②:生のトマト100%で作るカレッティエラ
カレッティエラというパスタソースは、本来はトマト缶を使うソースではありません。
フレッシュトマトで作ることで煮詰める時間が短縮され、時短レシピとして馬車ひきの客待ち中でもさっと作ることができたという言い伝えからも、トマト缶100%で作るソースではないのは百も承知ですが、、、
やっぱり日本のトマトは、品種によっては皮も味も薄いので(特にうちの夫は、イタリアの太陽を感じないトマトだと旨味が薄い!と辛口コメントをするので)、「つなぎ、旨味足し」のつもりで、私は少しだけ、トマト缶を加えて作っています。
でも!最近の日本のトマトは、皮も味も厚くて美味しいトマトがあったり、ミニトマトだと濃い味に仕上がったりするので、素敵な肉厚トマトに出会えたら!今回のレシピのトマト缶のところを生のトマトで作ってみてもいいのでは!と思います。
まとめ:カレッティエラで楽しいご当地グルメ旅を!
カレッティエラというパスタソースは、スパゲッティの食感をしっかり感じることのできるソース。仕上げにチーズもかけないので、もっとシンプルにスパゲッティの喉越しや風味が味わえます。
イタリア旅行をする際に、カレッティエラをテーマに、20州(とまではいかないかもしれませんが)カレッティエラご当地めぐりをされても楽しいのではと思います。
お好みでにんにくをいっぱい入れても美味しいフィレンツェのカレッティエラソースは、簡単に作れて満足度が高いパスタ料理なので、初心者の方にもおすすめで、むしろ本格的なトマトソース作りにトライする前に作ってみてほしいソースです。