2023.02.03更新
イタリアには「Spaghetti di mezzanotte・真夜中のスパゲッティ」という言葉があります。
夜中に突然、空腹に陥り、食べたくてたまらない!という時に使う禁断のフレーズ。
「真夜中だけどスパゲッティ食べよう!」
そんなときにオススメのソースが「カチョエペペ」(イタリア語で「CACIO E PEPE、カーチョ・エ・ペぺ」)。ペコリーノロマーノチーズと黒胡椒で作るイタリア・ローマを代表するパスタソースです。
カルボナーラよりも簡単で美味しくワンボウルで作ることができるレシピを紹介します。
ヘルシーな料理作りにおすすめのトスカーナ産オリーブオイル
レシピ材料(2人分) | |
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スパゲッティ | 200g |
パルミジャーノレッジャーノチーズ | 30g |
ペコリーノロマーノチーズ | 20g |
黒胡椒 | 適量 |
パスタの茹で汁 | 30〜40g |
粗塩 | 適量 |
調理時間:約15分
ステップ ①
パスタ用の鍋に1.5リットルの水と粗塩大さじ1/2(塩の種類によって量が変わるので確認してください)を入れて火にかける。いつもなら4人前のパスタを茹でるのに3リットルくらいの水で茹でますが、茹で汁とチーズを合わせたソースを作るには、より濃度の濃いパスタのゆで汁が必要のため、いつもより少ない水でパスタを茹でるのがコツ!
ステップ ②
沸騰したら茹で汁の味見をする。お味噌汁より薄めの味ならOK。味が薄い場合は、細かい塩(分量外)を加えて塩味をととのえる。
ステップ ③
スパゲッティを表示時間通り茹でる。アルデンテが好きなら1分短めに茹でるのがオススメ!
ステップ ④
茹でている間にソースの用意をする。フライパンに胡椒挽きで挽いた黒胡椒を入れ、弱火で香りがたつまで炒める(時間がないときは炒めずに直接ボウルに挽いた黒胡椒を入れても良い)。黒胡椒をボウルにあけ、パルミジャーノチーズとペコリーノロマーノチーズを加えて混ぜ合わせる。
クリーミーでとろりとした状態になるよう適量の茹で汁を加え、フォークやゴムベラで混ぜ合わせる。できればこの茹で汁は、人肌くらいに冷ましてから混ぜるのがおすすめ。茹で汁が熱いとチーズが分離してしまう恐れが!
ちなみに茹で汁の量は、茹でたパスタをトングなどでつかんで皿に盛るのか(やや水っぽくなるのでチーズの茹で汁少なめ)、パスタをザルなどで湯をしっかり切って皿に盛るのか(乾き気味なのでチーズの茹で汁多め)で変わって来るので状況によって加える量を調整するのがポイント!
ステップ ⑤
茹でたスパゲッティを皿に盛る。お好みでオリーブオイルを回しかけ、30秒混ぜて冷ます。最後に表面にチーズのクリームをかけたら完成!
茹でたてのスパゲッティは熱々で、上手に手早く混ぜないとチーズが固まったり、分離してしまいがち。失敗しないコツは、パスタを30秒くらい冷ましてからチーズのソースをお皿の上でかけること!
カチョエペペソースのポイントは塩の量
簡単に作ることができるソースですが、私なりのポイントは、やっぱりパスタを茹でるときの塩の量かなと思います。
イタリアのマンマと過ごしたとき、毎日パスタの茹で汁の味見を繰り返しさせられました。毎日味見をすると分かってきたことがあります。それは、何%の塩分になればいいと計算するのではなく、どういうパスタを茹でるのかを考えながら感覚を身につけ、自分の味覚で確認するだけ!ということ。
その線引きは、お味噌汁だ!と思います。乾燥パスタを茹でるときの茹で汁は、お味噌汁より少し薄めの味。生パスタを茹でる茹で汁は、お味噌汁より少ししょっぱめ。
それで今回は!です。イタリア人同士でも、「なんであんな塩の塊のパスタに魅了されるのか」と論議されるくらい、塩気の強い「カチョエペペ」というソースなので、茹で汁は、お味噌汁よりもずいぶん薄め、うっすら塩を感じるくらいの茹で汁を用意してください。
茹で汁の塩が多いと、ソースもしょっぱくなるので生パスタの時のように塩をいっぱい入れないようご注意を!
カチョエペペに合うパスタは何?
カチョエペペは、ガツン!としたチーズと黒胡椒の強い味わいが特徴。
このソースに合うパスタは、太めが合います。
生パスタの場合は、ローマの極太パスタ「トンナレッリ」が現地でも王道の組み合わせ。
乾燥パスタなら、太めのスパゲッティの他、ブカティーニ、リガトーニ、ペンネなど筒状のパスタがおすすめ。ただし、穴があいた筒状のパスタは、茹で上げた時に茹で汁が穴に残っているので、チーズと混ぜる茹で汁を少なくしないと、水っぽい仕上がりになるので気をつけてくださいね。
チーズと茹で汁のバランスは、スパゲッティ → ゆるく泡だてた生クリームくらいがベスト!
筒状パスタ(ブカティーニ、リガトーニ、ペンネ) → ヘラでボウルをなぞると土手ができるくらいの硬さがベスト!
せっかくカチョエペペを作るなら、パスタも相性の良いものを選んでみてくださいね。
それからのカチョエペペ
「おいしいんだけど、お皿の上でソースを混ぜたくないな。」
ここに記したレシピでカチョエぺぺを作ってきた私に、あるときイタリア人の夫がそう言いました。お皿の上でソースと混ぜると、ちょっと贅沢な気分がなくなってしまうと。
そこでさらに進化を目指し、新たな作り方で作るようになりました。材料は同じなのですが、茹でたパスタをお皿に盛らないで、フライパンでパスタを炒めた後に、チーズクリームのボウルで混ぜることに。
進化バージョン(作り方ステップ④までは同じ流れ)
仕上げにお皿に盛りつければ、我が家のイタリア人も満足のカチョエペペになりました。
日本でも人気のパスタになってきたカチョエペペ。ネット上でもトレンド入りし、知名度がますます上がっているパスタソースなのでは。このレシピで大人から子供までカチョエペペを作ろう!食べよう!という家庭が増えたら嬉しいなあと思ったりしています。
ちなみにチーズは、ペコリーノロマーノがない場合は、パルミジャーノレッジャーノだけで作ってもマイルドな塩加減でおいしいと思います。
子供たちに食べさせるときは、あえて全量パルミジャーノで作ると食べやすいですよ。
真夜中でなくても美味しいのでお試しください〜!
パスタ教室 カチョエペペ