
イタリア人の家族がいる我が家で切っても切れないイタリア料理といえば、トマトソース。
「Passata di pomodoro=裏ごしトマト」は、イタリアの夏の保存食のひとつでイタリア人にとっておふくろの味。これからの季節はフィレンツェの実家でもトマトソースをたくさん瓶詰めします。
昔と違って美味しいものも通年買えるし、作らなくてもいいのでは?なんて考えは多くのイタリア人にはありません。
手作りのほうが「私の味」になるから良いのだそうです。
そんな私も今年はまだ作らないの?とイタリア人の夫に葉っぱをかけられながら、トマトソースと向き合ってきました。
日本のトマトで美味しいパスタを味わえるようなソースを作りたい。それもできればマンマと同じ味がいい。そんなことを夫に言われ続け、越えられない壁を感じながらの日々。
なぜなら問題は、日本のトマトはイタリアのトマトとは違うからです。
この頃はイタリア品種のトマトも手に入るようになり、農家の方の努力には頭が下がりますが、それでも味の濃さ、甘み、硬さなどに本場との明らかな違いがあるのです。
イタリアとの差はあるけれど、日本のトマトで美味しいと言ってもらえるトマトソースを作るにはどうしたら良いか。私なりに日本のトマトの調理法をまとめてみました。

まずトマトを2つに切ったら、白い色をした芯の部分を取り除きます。トマトが加熱用で甘みが強くない場合は、種や水分も取り除いてください。トマトの甘みが強い場合は、あえて種や水分を残して調理するのがポイントです!
その上でお好みで下の2パターンの方法で加熱しましょう。
🍅 パターン ① ほぼフレッシュな状態でさっと火を通して作るトマトソースの場合
日本のトマトでフレッシュトマトソースを美味しく作るコツは、トマトの水分を加熱し、煮詰めて飛ばすのではなく、カットしたら塩をふってしばらくザルにあけておき、水抜きしてから使うこと。
ここでいう水抜きで出てくる水分とは、トマトをぎゅっと握りしめたときに出る赤い汁ではなく、ほとんど透明の旨味を含んでいない水のようなもの。
この手間をかけてからニンニクとオリーブオイルを加熱したフライパンでさっと1〜2分炒めれば、マンマが作るようなさっぱりしたトマトソースができます!
🍅 パターン ② 煮込んで作るトマトソースの場合
まずは、現地のような美味しいトマトソースをと思ったら、ムーランではなくトマト裏ごし器「passapomodoro」を入手されるのをおすすめします。ムーランでは美味しいところまでぎゅっと絞りきれないのが裏ごし器だとぎゅっと旨味を絞りとれるので濃いソースになります。
ちなみにこの裏ごし器は、イタリアに住んでいたら電動を買いたいな〜と思いますが私が持っているのはマニュアルタイプ。トマトや野菜の皮と種を除いてくれるのでトマトの湯むき不要で、程良く粗ごしで湯むきしたトマトより赤いソースに仕上がります。
トマト裏ごし器「passapomodoro」を手に入れたら、トマトと玉ねぎ、にんじん、セロリなどを鍋に入れ、まず煮込みます。トマトが柔らかくなって崩れたら、布巾を敷いたざるにあけ、余分な水分をざざっと捨てます。
そしてトマト裏ごし器にかけると、トマトの皮や種が取り除かれた美しいポタージュ状に。そのポタージュ状のトマトを、ニンニクとオリーブオイルを加熱した鍋に入れ、塩でなじませれば本格的なトマトソースが出来上がります。
私は、この季節はトマトソース愛が止まりません。毎年バージョンアップしていく我が家のトマトソースレシピを8月作りおき工房レッスンでもご紹介しますのでお楽しみに!
皆さんも美味しいトマトソースを作って夏を楽しみましょう。
作りおき工房