イタリアマンマに学ぶ保存食作りに欠かせない保存瓶の「煮沸消毒」と「脱気」という工程。
手作りしたイタリア料理を瓶詰めにし、長い間楽しむための昔ながらのやり方を紹介します。
たくさん瓶詰めにして美味しい保存食を作りを楽しみましょう。
煮沸消毒とは
煮沸消毒は、食品を腐敗させないために行われてきた昔ながらの殺菌方法。ガラス瓶などについている細菌をできる限り取り除くために行われること。
脱気は、食材を保存した瓶内の空気を抜くことで細菌が繁殖しづらくするために行うもの。瓶の中の空気を減らすことで長く保存できるようになります。
そこで正しい煮沸消毒・脱気の仕方を改めて解説します。
煮沸消毒の仕方
ソース・料理を作る前にするべき保存瓶の煮沸消毒についての手順は次のようにやるのがオススメです。
① 瓶をきれいに洗います。教室ではドイツ製の食洗機を使っています。
② 大きな鍋にお湯を沸かし、瓶と蓋を入れて5〜7分煮ます。
③ 保存瓶用のトングを使って取り出し、布巾の上で粗熱を取り、乾かします。
脱気の仕方
作ったソースやペーストを瓶詰めにして空気を脱気することで常温で保存できるようになる脱気。お湯の高さや温度を気をつけると美味しく保存できるので参考にしてください。
① 煮沸消毒した後の乾いた瓶にソースなどを詰めます。空気が入らないように清潔なスプーンやゴムベラで食材をきちんと押し込みます。
この時、ソースなどの食材は瓶の蓋から1.5cmほどのところまで入れることがポイント。入れすぎると脱気の際に漏れます。
ちなみに分かりにくい場合は、イタリアではソース用のロートが販売されており、これを使うとソースを入れすぎたかどうかが分かりやすいです。教室でもこのロートを使っています。
ソース用とペースト用の2つセットなので大変便利とレッスン時にも人気のアイテムです。
② ソースやペーストを入れたら内側の汚れをキッチンペーパーできれいに拭き取ります。
③ 瓶の蓋を閉るところまで閉めます。思いっきり閉めるのは脱気後になるのでここでは閉るところまでキュッと閉めます。
④ 鍋に湯を沸かします。沸騰したら鍋底にキッチンペーパーや布巾を敷き、瓶を並べます。
この時、お湯の量が瓶のソースとほぼ同じ高さになるようにします。お湯が多ければお玉などで減らすなど湯量を調整してください。
瓶からソースが漏れるのを防ぐため、湯量は瓶の蓋の下あたり(ソースと同じ高さ)にするのがおすすめです。
⑤ トマトソースやミートソースは、中火で約20分グツグツ加熱します。ペースト類は、沸騰直前の湯に入れ、とろ火で15分加熱します。
特にジェノベーゼペーストは、変色しやすいので70度以上にならないよう注意して加熱してください。
⑥ 保存瓶用のトングを使って瓶を取り出し、熱いうちに蓋をぎゅっと締め直します。完全に冷めたら、完成!
私はイタリア保存食レッスン準備用に直径42cmの鍋と保存瓶用のトングを購入しました。大きな鍋があると煮沸消毒・脱気の作業がとても楽になり、トングも便利でおすすめです。
この大きな鍋でコトコトと煮沸消毒している時間は、これから作る美味しいものを想像するだけで幸せになる癒しの時間です。
そしてイタリア料理は日本で暮らす私たちにとって、毎日作るものではないと思うので時間があるときにたくさん作り置きしておけば、日々の暮らしを彩ることができるのではないかと思います。
これから作りおき工房レッスンでも皆さんといろいろな保存食を作っていけたら嬉しいです。
作りおき工房