イタリアのパスタ旅20州「小さな村編」vol.10「カラブリア州」

カラブリア南西部の郷土パスタ「フィレイヤ」とレモンと赤唐辛子のメカジキソース

Fileja calabrese al pesce spada e limone

編み棒を使って作るご当地パスタ「フィレイヤ」は、カラブリア南西部の街「ヴィボ・ヴァレンツィア」で生まれたパスタ。

ゆるい螺旋状の形で、語源はこのパスタに使われるマカロニを作るための鉄製の棒に由来します。

この「フィレイヤ」は、とても古いパスタでご当地食材で食べるのが伝統です。

近くにはマグロやメカジキの加工場があるこの地域で、おめでたい日に食べられてきた「レモンと赤唐辛子のメカジキソース」を作ります。

かつてお金の代わりにも使われたという、カラブリア料理に欠かせないペペロンチーノとレモンの酸味が特徴的な夏にぴったりのパスタをお一人ずつ実習します。

ジョイア・タウロ発祥の全粒粉パスタ「ストロンカトゥーラ」と旨辛トマトと魚の「ストッコ」ソース

Stroncatura di Gioia Tauro al pesce stocco

カラブリア州の港町ジョイア・タウロには、古くから貧しい農民たちの間で食べられてきた全粒粉入りのパスタ「ストロンカトゥーラ」があります。

「ストロンカトゥーラ」は、アマルフィ海岸からパスタ商人が集まる港であったため、19世紀にナポリから伝わったとされるカラブリアの典型的なパスタです。

製粉時に地面に落ちた粉を集めて、再利用して作ったと言われるパスタは、当時は食べることを禁じられていたため、カラブリアの民たちがこっそり家庭に「密輸」して食べてきたそうです。

地元の食材と組み合わせたソースが定番で、今回はトロペアの赤玉ねぎやアンチョビ、この地域の白身魚を使った「ストッコ」ソースを作ります。

辛ウマな味が楽しめるご当地メニューをご試食いただきます。

いんげん豆とンドゥーヤのスパイシー煮込み「ファジョラータ」

Fagiolata piccante alla 'nduja

豚の脂と赤唐辛子を練り、腸詰にしたカラブリア食材「ンドゥーヤ」を使ったスパイシーな豆の煮込みをご紹介します。

トロペアの赤玉ねぎといんげん豆、ンドゥーヤを合わせた「ファジョラータ」は、夏の家庭料理におすすめです。

温かいままでも冷たいままでも、パンに添えて食べ始めると止まらないおいしさのカラブリア料理です。

もはや調味料と化した「ンドゥーヤ」は、激辛食材ではないので食べやすい味に仕上がります。

作ってもすぐになくなるので保存できずに終わる我が家ですが、瓶詰めして保存食として楽しむこともできる「ファジョラータ」を作ります。

カラブリア伝統パプリカと赤唐辛子のジャム

Confettura calabrese al peperoncino

カラブリアのジャムといえば、やっぱり赤唐辛子のジャム！

パプリカやトマトも加えて作るカラブリアの保存食で、チーズにとてもよく合います。

甘辛なおいしさで、お酒のお供にぴったりのレシピで作りたいと思います。

いちごジャムをもらったと思ったら、ピリ辛でびっくりした経験がある赤唐辛子のジャムの我が家で流行りの使い道は、実はピッツァ。

クアトロフォルマッジョのピザにかけると、はちみつより合う！とハマっています。

郷土色の強い南イタリアのパスタ旅、どうぞお楽しみに！