イタリアのパスタ旅20州「小さな村編」vol.6「カンパニア州」

筒状パスタ「メッザネッリ」とチーズ入りチェリートマトソース「スカルパリエロ」

Mezzanelli napoletani alla scarpariello

短く切ったチューブ状のパスタ「メッザネッリ」と今回のソース「スカルパリエロ」の組み合わせは、ナポリを代表する郷土パスタ。

オリーブオイルではなく、ラードで調理されることも多かったメッザネッリというパスタを手作りします。

コツを覚えれば、ブカティーニよりも簡単で、ソースがストローのようにパスタの穴に入り込み、感動する美味しさが楽しめます。

ソースは、靴職人がランチに作ってきたとされる「スカルパリエロ」ソースを作ります。

靴屋を訪れるお客さんの多くが貧しい農民で、代金をお金で支払うことができず、農産物であったチーズとトマトで返済したため、靴職人はそのチーズとフレッシュなトマトを使ってソースを作ったという物語がある「スカルパリエロ」ソース。

ペペロンチーノの辛みをプラスした、フレッシュなチェリートマト100%で作るトマトソースにチーズを加えて作るスカルパリエロは、ありそうでなかった美味しさが味わえます。

生のトマトを使ったソース作りを学びたい方にもおすすめのレシピですので、どうぞお楽しみに！

手作りフジッリとナポリの「ジェノべーゼ」ミートソース

Fusilli al ragù "genovese" di Napoli

ナポリなのにジェノベーゼ？と思ってレストランで注文するとミートソースが出てきます。

ナポリのジェノベーゼは、バジルペーストではなく、牛肉と玉ねぎのミートソースを指します。

古くからナポリとジェノバは、港町として交易があり、「ケチ」で有名なジェノバから来た料理人が、安い玉ねぎをたくさん入れて作ったことからこの名がついたとも言われる今回のパスタ。

ビーフシチューのように塊肉をじっくり煮込んで作る特徴的なミートソースで、たっぷり加える玉ねぎの甘みでクセになるソースです。

ひき肉で作るボロニェーゼのラグーとはまた違う魅力あるパスタソースに手作りのフジッリを合わせます。

まだまだある、パスタ旅を続けないと出会えないナポリのじっくり煮込んで作るジェノベーゼのパスタをお味見いただきます。

イースターのサラミとチーズ入りパン「トルターノ・ナポレターノ」

Tortano napoletano di Pasqua

イースターの時期に作られるサラミとチーズ入りパン「トルターノ・ナポレターノ」。

サラミやプロボローネチーズをたっぷりのせて焼き上げるこのパンの特徴は、ゆで卵が入ること。

卵メニューを食べるイタリアならではの、ドーナツ型のパンを作ります。

今回はヘルシーに仕上げるべく、オリーブオイルで作りますが、当時はラードを入れた生地で作っていたのも、この地域らしい特徴です。

食べ出すと止まらない味わいで、何気なく作ったナポリ料理が家族に大ヒット。我が家のイースターでは、ここ数年必ずこれを焼くほどです。

春の訪れを祝うのにぴったりのナポリのイースター料理をご紹介します。

アマルフィ海岸のレモンクリームのタルト

Torta di Amalfi alla crema di limone

ナポリから1時間、絶壁のアマルフィ海岸は、潮風に強いレモンを育ててきた地域です。

世界一美しいとされるこの地域のレモンは、大きく、香りも豊かなため、お菓子にも使われます。

この地域のレモン菓子の中でも、家庭で作りやすいレモンクリームのタルトを作ります。

ほろほろとしたタルト生地とレモンの香りが広がる濃厚なクリームの焼き菓子は、冷やして食べるのがおすすめ。

これからの季節におすすめのアマルフィ菓子をどうぞお楽しみに！