イタリアのパスタ旅20州vol.12「バジリカータ州」

カプンティとペペローニ・クルスキのソース

Capunti in salsa di peperoni cruschi

南イタリアには「引きずる」という意味が語源の手打ちパスタがあります。

カプンティはセモリナ粉を練り合わせ、引きずってソースが絡む形に仕上げて各家庭で作られてきました。別名「長いカヴァテッリ」とも言われるカプンティは、特別な道具を使わずにひとつひとつ手仕事で作ることができるバジリカータ州の郷土パスタです。

ソースには、この地の代表的な食材である「ペペローニ・クルスキ」を使ったソースを作ります。ペペローニ・クルスキは、赤唐辛子を天日干しにして乾かしたもので、この地域ではパスタに添えて食べることが定番です。

辛みはほとんどなく、やみつきになるパリパリっとした食感と程よい甘みがアクセントでオリーブオイルとの相性抜群、はじめて食べた時の衝撃な今でも忘れることができません。

派手な料理ではありませんがこれぞバジリカータという素朴で心に染みる味わいの郷土パスタを作ります。

ラガーネとひよこ豆入りズッキーニとサルシッチャのラグー

Lagane al ragù di salsiccia, zucchini e ceci

ラガーネ、これもまた南イタリアの古くから食べられてきたパスタです。

一説にはラザーニェという名前にも影響を与えたとされるラガーネは、セモリナ粉と水をベースに練り上げた生地を2cm〜2.5cm幅にカットしたフェトチーネよりも太くてもっちりしたロングパスタです。

肉や豆のソースで合わせるのが定番で、サルシッチャ発祥の地とされるバジリカータ州ならではのサルシッチャとひよこ豆を使ったラグーソースを合わせて作ります。

サルシッチャに使われる豚肉のジューシーさやズッキーニやひよこ豆のほくほくした味わいが美味しい具沢山のソースは、ひと皿で大満足な気分にしてくれるパスタ料理です。

バジリカータ料理は日本人の口にもよく合うとされ、昔ながらのシンプルで美味しいイタリア料理が楽しめるパスタをどうぞお楽しみに！

カチョカバロチーズのカツレツと野菜トマト煮「チャンモッタ」

Caciocavallo fritto con ciambotta lucana

バジリカータ のチーズといえば、カチョカバロチーズも有名です。

近年、日本でも生産されているカチョカバロチーズは、そのまますりおろしてパスタにかけても美味しいのですが、カツレツにするのもおすすめです。

モッツァレラチーズよりも固めのチーズですが、焼いたり揚げたりするととろ〜り伸びるチーズになり、とても美味しいカチョカバロ。

カリッと揚げたカチョカバロチーズには、バジリカータのカポナータである「チャンモッタ」を合わせて食べると最高に美味しいとされています。

温かくして食べたり、夏場は冷たく冷やしたり、保存食にもなる野菜トマト煮「チャンモッタ」も作り、ご試食いただきます。

おつまみにも、お弁当のおかずにもぴったりの組み合わせの一品でバジリカータの熱い太陽にも負けない美味しさを味わいましょう！

花嫁のレモンケーキ「ドルチ・デッラ・スポーザ」

Dolce della sposa al limone

「ドルチ・デッラ・スポーザ」は、バジリカータ生まれのケーキ。

ふわふわのスポンジ生地にレモンクリームを挟んで作ったレモンケーキをご紹介します。かつては結婚式の際に、花嫁の家族が作っていたことから花嫁のドルチェという名前がついた伝統菓子を作ります。

優しい味のレモンケーキは、手間はかかりますがその分、美味しさと幸せが待っていると言われてきました。

家族が一番幸せな瞬間に味わってきたと言われるどこか懐かしい味のお菓子をお味見いただきます。

日本ではなかなか出会えないシンプルで歴史ある郷土菓子の魅力をお楽しみください。