イタリアのパスタ旅20州vol.1「ヴェネト州」

全粒粉入りスパゲッティ「ビーゴリ・イン・サルサ・アジアーゴ」

Bigoli integrali in salsa Asiago

ヴェネト州のパスタを語る上で、絶対に外せないパスタが「ビーゴリ」です。

パドヴァのパスタ職人が考案したとされる全粒粉や卵を使って作る素朴なスパゲッティ。

昔はトルキオと呼ばれる圧搾機を椅子に取り付けて固定し、手で器具を回しながら搾り出していたパスタしても有名です。

ビーゴリといえば貧しい人たちが食べてきたと言われるアンチョビと玉ねぎを使ったソースが定番でレッスンでお味見いただきたく思います。

またこのパスタソースには、お土産でもおつけする「アジアーゴチーズ」を使ったソースを合わせます。

ヴェネト州にあるアジアーゴ高原の特産物で牛乳製のミルキーで優しい味のチーズで作ったパスタソースでバリエーションもお楽しみいただきます。

伝統パスタ「ティラーケ」とアドリア海風イカ墨ソース

Tirache venete al nero di seppia

ティラーケは、ヴェネト方言でサスペンダーという意味。

やや厚みのあるタリアテッレのようなパスタの特徴は、卵が入らないこと。そしてロングパスタとしても食べるけれど、小さくちぎって豆のスープに入れても食べる生パスタです。

ソースは、ヴェネツィアを訪れたらほとんどの旅行者がレストランで味わうソース「イカ墨のソース」を。

ヴェネト州ガルダ産のオリーブオイルとにんにく、赤唐辛子、イタリアンパセリをじっくり炒め、アドリア海のイカとトマト、イカ墨を加えて煮込んだヴェネツィアイカの煮込みはパスタソースとしても親しまれており、魅惑のソースなどとも言われています。

レッスンでは、生パスタ「ティラーケ」とイカ墨ソースを実際に実習します。

ヴェネツィアのバーカロの前菜盛り合わせ「チッケッティ」

Cicchetti dei bacari veneziani

ヴェネツィアを訪れると、旅先で欠かせないのがバーカロへ行くことではないかと思います。

バーカロは、ヴェネツィアならではの楽しみで、立ち飲みの居酒屋のようなもの。

そこで選ぶのが「チッケッティ（CICCHETTI）」、お酒のおつまみです。

今回はヴェネト州の南蛮漬けと言われる「サオール」をご紹介します。現地ではイワシや魚介類、野菜などバリエーション豊富でパンにのせて楽しむことが多い料理です。

今回は作りやすい野菜のサオールの他、鱈のペースト「バッカラ・マンテカート」のレシピもご紹介、ご試食頂きます。これもヴェネト州の定番である白身魚のクリーミーなペーストです。

ヴェネツィアに旅をしたような気分で前菜に合わせてヴェネツィアのカクテル「スプリッツ（SPRITZ）」も合わせてご紹介しますのでお楽しみに。

トレヴィーゾ発祥のドルチェ「ティラミス・クラッシコ」

Tiramisù classico di Treviso

1960年代にヴェネト州トレヴィーゾにある「レ・ベッケリーエ」とリストランテが名付けたと言われるティラミス。

直訳すると「私を上に引っ張って」という意味のティラミスはマスカルポーネチーズやエスプレッソで作るドルチェとして歴史は浅いのに世界中で大ヒットし、日本でもイタリアンデザートとして有名です。

ちなみに「ヴェネト州」vs「フリウリ州」でティラミス発祥の戦いが起こったともされ、細かな歴史には異論もありますが、ヴェネツィアで暮らした私たちがご紹介する本場のクラシックなレシピで作ります。

クラッシックなティラミスは、4角形で2層に分かれているとされ、クリーム部分にも実はポイントが隠れています。提供するときに過剰に崩れないレストラン発祥ならではのワンポイントを知っておくと、家庭でもお店のように作りやすくなります。

色々なバリエーションが出ているティラミスですが、まさに正統派のティラミス、ご期待ください。