イタリアのパスタ旅20州vol.18「モリーゼ州」

モリーゼ州のパスタ「クリオリ」とサラミのラグー

Crioli molisani al ragù di salumi

モリーゼ州はお隣アブルッツォ州と同じく、キタッラ器具を使ったパスタがあります。

キタッラよりも少し薄い生地のロングパスタで「クリオリ」と呼びます。

モリーゼの旅はクリオリで終わると言われるほど、この地を訪れたらこれだけは味わってほしいコシの強めのパスタを作ります。

ソースは、生ハム、サラミ、パンチェッタ、サルシッチャなど豚肉加工品の総称「サラミ」のラグーを合わせます。

サラミ好きの方におすすめのミートソースを実習し、お持ち帰りいただきます。

カバテッリ・リガーティとブロッコリー入りクアトロフォルマッジのソース

Cavatelli rigati in salsa di broccoli ai quattro formaggi

もちもち食感、ソースの絡みやすい形をした「カバテッリ・リガーティ」はモリーゼ州のショートパスタ。南イタリアの影響もあったこの地域では南イタリアにも点在するカバテッリがここ、モリーゼ州にもあります。

セモリナ粉100%で作る南イタリアと違い、中南部イタリアならではのセモリナ粉と小麦粉が半分ずつ入るのもこの地ならではの特徴。

ソースにはブロッコリーやカリフラワーで作ることができるブロッコリー入り4種のチーズ「クアトロフォルマッジ」のソースを合わせます。

毎日美味しく食べられる、そんな素朴な家庭のパスタとソースをデモンストレーション形式でご紹介、ご試食いただきます。

鱈の香草グリル「バッカラ・アッラカナート」

Baccalà arracanato

シチリアにもありそうな香草パン粉を使った魚料理ですが、モリーゼ州の香草グリルは特徴があります。それは、胡桃が入ること。

胡桃とオリーブ、トマトなどをパン粉と合わせて野菜や鱈の上に並べて焼くだけのシンプルなオーブン焼きを作りたいと思います。

これは実は、クリスマス料理です。24日のモリーゼ州の伝統的なメニューとされているのが「バッカラ・アッラカナート」です。

秋から冬にかけて日本でも手にはいる鱈を使って、もしくは干鱈でも作ることができる伝統料理をご紹介します。

チーズの伝統菓子「フィアドーニ・モリザーニ」

Fiadoni molisani al formaggio

焼いてから数日経つと、なんだかどんどん美味しくなり、止まらなくなる焼き菓子がモリーゼ州の「フィアドーニ」。

リコッタチーズやレモン、シナモンなどを包んで焼いたモリーゼ州の伝統菓子です。

お隣アブルッツォ州にも同様の焼き菓子があり、塩味とドルチェタイプの2パターンが存在しますが今回は甘い方を作ります。

もともとはイースターの定番のお菓子で、半月型をしたこのフィアドーニは季節を問わず親しまれてきたそうです。

イタリア各地にある伝統焼き菓子をどうぞお楽しみに！