イタリアのパスタ旅20州vol.2「トスカーナ州」

シエナ発祥手打ちスパゲッティとトマトソース「ピチ・アリオーネ」

Pici senesi all’aglione

トスカーナのパスタの中で最も有名なのは、「ピチ」という名のパスタ。

その歴史は古く、古代ローマ時代にトスカーナで盛えていたエトゥルスキ人が考案したと言われています。

形は、太いスパゲッティのようで小麦粉と水をベースに練った生地を成形して作ります。1本1本手で伸ばすのは大変なのでコトコトパスタ流に簡単に作る方法を伝授します。

ソースには、ピチが美味しく食べられることからシエナの定番の組み合わせで「アリオーネ」ソースをご紹介します。

にんにく入りのトマトソースですが普通のトマトソースとは違い、バジルが入らないだけでなく、作り方が南のトマトソースとは異なるため、面白さとシンプルな美味しさが詰まっています。ここから感じるトスカーナらしさ、郷土色を実習しながら感じていただけたらと思います。

サルシッチャとじゃがいものラヴィオリ「トルテッリ・ムジェッラーニ」

Tortelli mugellani con salsiccia e patate

ムジェッロは、フィレンツェの最北端でアレッツォからフィレンツェにかけて続く地域。

トスカーナのパスタの多くは、ムジェッロなど田舎に暮らす農民の食文化がもとになったとされ、今でもこうした地域のパスタに目がないトスカーナ人に愛されています。

その代表的なラビオリが「トルテッリ・ムジェッラーニ」です。

じゃがいもとサルシッチャを詰め、肉のラグーかポルチーニ茸のラグーをかけるのがクラシックなレシピとされています。

この地域の昔ながらの素朴で絶妙な美味しさのラヴィオリの作り方をデモンストレーション形式でご紹介し、ご試食いただきます。

サルシッチャ入りのトルテッリは、我が家ではよく作ってきましたが、コトコトパスタ教室では初めて作ります。肉の旨味がしっかり味わえ、ご家庭でも再現しやすいレシピですのでご期待ください。

トスカーナのストリートフード「ズブリチョローナ・デル・ヴィナーイオ」

Sbriciolona del vinaio

ヴィナーイオは、ワインを飲む所という意味の古代の居酒屋を指します。

そこでワインと一緒に楽しまれてきたトスカーナのパニーノが今や旅行者の間でフィレンツェのストリートフードになり、食べたい人で行列になるほどのメニューが「ズブリチョローナ・デル・ヴィナーイオ」です。

フォカッチャよりも薄い「スキアッチャ」と呼ばれるトスカーナのパンに、別名ズブリチョローナと呼ばれるフェンネル風味のトスカーナ産サラミ「フィノッキオーナ」を挟んだ究極のストリートフードを作ります。

今回はスキアッチャと呼ばれるトスカーナのフォカッチャのレシピもデモンストレーションでご紹介します。捏ねないで作れる簡単で本格的なフォカッチャレシピをお楽しみいただきます。

フィレンツェの伝統菓子「スキアッチャータ・アッラ・フィオレンティーナ」

Schiacciata alla fiorentina

トスカーナの首都フィレンツェに伝わる伝統菓子が「スキアッチャータ・アッラ・フィオレンティーナ」です。

バターではなくオリーブオイルを加えて作るオレンジ風味のケーキは、2月のカーニバル時期の定番として古くから愛されてきました。

フィレンツェの義母によると今はあまり街でも見かけなくなった伝統的なフィレンツェのケーキを日本の皆さんに知って味わって作ってもらえたら嬉しいとのこと。

義母がフィレンツェ出身の姑から教わったという家族のレシピで焼いたケーキは、生地の間に生クリームを挟み、表面にはフィレンツェのシンボルであるユリの紋章でデコレーションして仕上げます。

シンプルで程よい甘さでどこか懐かしい味のお菓子をご紹介します。

ぜひ、世田谷のトスカーナへ旅をしにいらしてください。